外国為替相場の要因

外国為替に影響与える通貨先物

外国為替(がいこくかわせ)とは、通貨を異にする国際間の貸借関係を、現金を直接輸送することなく、為替手形や送金小切手などの信用手段によって決済する方法をいいます。

FX為替で投機的なポジションという場合に手がかりとなるのは,シカゴマーカンタイル取引所 にある国際金融先物市場(IMM)の通貨先物の動向です.これは米国商品先物取引委員会(CFTC) がホームページ でも毎週公表しており,円やユーロを始めとする通貨の取引状況を知ることができます.この中で「非商業部門(NON-COMMERCIAL)」と分類されている取引が,ヘッジファンドなど投機筋の動きを反映するものと言われています.この資料は毎週金曜日にそ の週の火曜日現在の計数が発表され.速報性の点でも優れています.最初に、先物の用語について少し説明します。左軸にある先物の建玉(たてぎょく)とは売り買いの契約数で、1枚、2枚と数えます。公表数値は売り・買い別々に出ますが、このグラフは売りと買いのネット枚数です。1枚は円先物では1250万円、ユーロ先物では12万5000ユーロで、3月18日現在の円の買い建て(ネット)23318枚=約24億5千万ドル、ユーロの買い建て(同) 13339枚=約16億7千万ユーロになります。 円、ユーロ共に買い持ちポジションの手仕舞いが起きたことがわかります(円は逆目盛り)。特にユーロの場合、前週は35000枚を越えており、そのほぼ3分の2(約20億ユーロ相当)という強烈な売りにあって、レートも1.1ドル台から一気に1.06台まで急落しました。 こうして、いわば仕切り直しという状況になりましたが、二つのグラフを見ても、円とユーロのこれまでの動きには違いがあります。過去1年間、シカゴの円ポジションが売り持ちと買い持ちを繰り返す中、円は概ね115円〜125円の間を上下しています。これに対しユーロは最新の週を除けばほぼ3万枚以上、少なくとも1万5000枚の買い持ちを保ち、FX為替レートは上昇基調でした。 ドイツの深刻な景気低迷は第二の日本かと言われるほどで、ユーロにも懸念材料はあります。また値動きが荒くなっているため、目先1.02ドル程度までの下落も見ておく必要があります。しかし先物市場からは、ドル資産を動かすならばユーロという根強い期待と、対照的に円には賭け切れないという不信感が伝わってきます。戦争を前にした世界的な株価上昇に東京が乗り遅れ、結局小幅な上昇にとどまったのも、そうした見方の反映でしょう。ドル/円は120円を中心とした推移がまだ続くものと思われます。FX投資信託投資家がリスクを回避する場合、一つの判断は投資方針を変更することです。ドルはもうだめだと思えば、資産配分をドルから別の対象に移します。これは中長期的な視点から見た決定です。そう頻繁に行うことではありませんし、いったん変更したら短期間のうちに元に戻すことはまずありません。 もう一つの判断は、基本的な投資方針は変えずにリスクヘッジをすることです。これは当然、投資方針とは反対向きの行動です。例えばヘッジのドル売りとは、ドルが魅力的だという方針で投資しているから生じる行動です。この意味で、ヘッジは投資方針から乖離するという、別の意味のリスクを取ることになります。おかしな話だと思われるかもしれませんが、特に年金資金など顧客から預かった資金を運用する場合には、行動をこと細かに説明する義務があるため、こうした乖離をリスクとして意識する度合いは大きくなります。 また一方で、ドル下落を見込んで、為替市場で積極的に投機的なリスクを取っていた市場参加者が多かったのも事実です。戦争という、あまりに不確定要因の多い事件が現実化するのを目の前にしては、投資家のヘッジも投機的なポジションも、いったん解消せざるを得なかったようです。これが最近のドルの急激な戻しの背景と見られます。